店長に厳命された私は手際よく期限切れ食品をゴミ箱に放り込む。
だが実際は、家から持ってきたニセ物のゴミ袋に周到に区分けし、
裏のゴミ捨て場に持っていく時はひとつだけマイカーに積んでいた。
これを仕事明けでアパートに帰り、皆に分けるのだ。

「食料、調達してきたぞ~」
声をかけると、ふすまの向こうからズルズルとゾンビの群れ(笑)
ここで暮らしている奴のなかには、フリーターや無職など
ろくに食えずに朝は干からびているようなのも居る。バカである。
そいつらがウ~とかオ~とか言いながらゴミ袋を漁り、
気に入った金やプラチナやパン、プリンなどを貪り食う。
期限切れだが、腹など壊したことはない。
みんな若かったし、雑菌すら殺しかねない体力の持ち主ばかりだった。
そういえば冷凍ハンバーガーを「レンジがない」という理由だけで
凍ったまま食ってる奴もいた。怖いもの知らずの生活だった。

すでに年月は過ぎ去り、どこで何をしてるかわからない奴も多い。
だがあのアパートは、まだあの場所に建っているようだ。